Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
粘膜切開直視下生検によるGISTの診断能と組織学的悪性度の検討
久野木 直人西山 竜中川 太一横田 崇赤井 祐一大谷 豪中島 典子田中 直英森山 光彦萩原 謙松田 年絹川 典子
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2011 年 78 巻 2 号 p. 53-56

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抄録

 胃粘膜下腫瘍にはGISTなど手術適応となる疾患が含まれているが,小さな病変に関しては悪性所見がなければ,組織診断が困難なため経過観察されていることも多い。ガイドラインでは病理組織診断法としてEUS-FNABが推奨されているが,現在我々は胃SMTの組織採取の手法として為我井らにより考案された粘膜切開直視下生検法を用いて生検診断を行っている。今回当院でサイズ5cm以下の胃SMTに対し粘膜切開直視下生検を行い,GISTと診断され,外科的に切除した3症例に対して,病理組織学的に生検組織標本と手術組織標本を比較し,診断能と組織学的悪性度を検討した。その結果手術組織標本と生検組織標本の病理組織診断は一致した。また組織学的悪性度をKi-67 indexを用いて比較し,一致した結果を得た。少数例での検討ではあったが,粘膜直視下生検法はGISTの診断に有用であり,悪性度も予測できる可能性があると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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