Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
Ki-67免疫染色を用いたSSA/Pと過形成ポリープの鑑別
田中 宏幸藤盛 友佳理尾形 英生志田 陽介廣瀬 元彦博多 裕子山岸 秀嗣市川 一仁冨田 茂樹井村 穣二藤盛 孝博安田 是和
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キーワード: SSA/P, Ki-67, hisological feature
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2011 年 78 巻 2 号 p. 50-52

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抄録

【はじめに】大腸鋸歯状病変には,従来の過形成性ポリープ(HP),鋸歯状腺腫(SA) が存在する。2003年,Tolakovicらは,従来のHPの中に増殖能が高い広基性腫瘍類似病変 (SSA/P)について報告している。本稿では従来のHPから樋口らの組織学的所見を用いて狭義のHPとSSA/Pに分類し,免疫組織化学;Ki-67を用いて増殖能の差を明らかにする。【対象と方法】2008年7月から2009年3月までに当教室にて,従来のHPと診断された56症例を対象とした。樋口らの組織学的基準に準じてSSA/Pを診断し,免疫組織化学;Ki-67で増殖能を評価した。評価方法は,Ki-67陽性細胞陰窩内分布及び陽性細胞数(LI)で評価した。【結果】Ki-67陰窩内分布は,狭義のHPで38病変中32病変,SSA/Pで18病変中17病変が評価可能であった。陰窩内分布(レベル1/2/3)は,14/18/0,0/8/9であった。Ki-67 LI は,狭義のHPで38病変中23病変,SSA/Pで18病変中15病変が評価可能であった。LIは,28.0±14.5%,46.1±8.1%であった。いずれも両群に統計学的有意差を認めた(p<0.01)。【結論】樋口らの組織学的所見は,Riddellらの指摘する増殖帯の拡大を特徴とするSSA/Pを診断するに妥当であると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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