Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
内視鏡検査における,内視鏡治療適応の胃上皮性腫瘍検出に関する検討
田中 啓倉田 仁檀 直彰
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キーワード: 色素内視鏡, 偽陰性, 胃腫瘍
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2015 年 87 巻 1 号 p. 45-48

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抄録
【目的】上部消化管内視鏡検査において,胃上皮性腫瘍病変(以下 : 病変と表記)の見逃しを減らすために,単発病変症例と多発病変症例の背景にどのような差があるのか,多発病変症例において見逃し病変をもつ症例はどのような特徴があるのかを検討した.【対象と方法】2013年5月から2015年6月まで,当院にて病変に対して内視鏡治療を施行した症例を,単発病変症例群と多発病変症例群に区分し,性差,年齢差,粘膜萎縮の程度について比較検討を行った.また,多発病変症例群において,見逃し病変がなかった症例を検出群,見逃し病変を持つ症例を未検出群に分け,検査施行医,検査施行施設,検査時のヘリコバクターピロリ(HP)感染,制酸剤投与,色素内視鏡使用について比較検討を行った.【結果】全症例数は27例,単発病変症例は15例(56%),多発病変症例は12例(44%)であった.性差,年齢には差は認めなかったが,多発病変群では粘膜萎縮の程度が強かった(p<0.001).
検出群は6症例,未検出群は5症例であり,検査施行医,施行施設,HP感染・制酸剤投与の有無について差はなかったが,検出群で色素内視鏡の使用が多かった(p=0.015).【結語】
内視鏡検査において胃粘膜の萎縮が進んでいる症例は,1病変が疑われた際に他の病変の存在を疑い,色素内視鏡を行うことが有効である可能性を考えた.
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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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