Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
十二指腸腫瘍に対する内視鏡切除の治療成績−非乳頭部の腺腫・がんにおいて−
野中 哲小田 一郎阿部 清一郎鈴木 晴久吉永 繁高中島 健松田 尚久斎藤 豊
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2015 年 87 巻 1 号 p. 53-57

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抄録
十二指腸の内視鏡治療は,消化管の内視鏡治療の中で最も難しいとされている.しかし,圧倒的に症例数が少ないことから,癌取り扱い規約は存在せず,早期癌の定義や内視鏡治療の適応基準,病理学的な治癒切除基準などが確立されていない.このような背景において,当院で施行された非乳頭部の十二指腸腺腫・がんに対する内視鏡切除の成績について検討した.2000年1月から2015年3月に,十二指腸腺腫および癌に対して内視鏡切除が施行された127症例134病変を対象とした.腫瘍径中央値は12mmであり,20mm以下が85%を占めている.EMR/ESDは118症例125病変 (93%)/9症例9病変 (7%)に対して施行された.一括切除/分割切除87 (65%)/46 (34%),潰瘍縫縮あり/なし 117 (87%)/17 (13%)であった.EMR群で術中穿孔1例 (0.8% ; 1/125),ESD群では1例が術中穿孔にて治療中止・待機的手術へ移行し,1例は遅発性穿孔にて緊急手術が施行された(22% ; 2/9).後出血は8% (11/134)に認められた.局所再発を2例に認めたが(1.5%),長期成績としては原病死を認めず極めて良好であったことから,特に20mm以下の小病変はEMRで制御可能と考えられる.現時点では非乳頭部の十二指腸腺腫・がんに対する分割切除も含めたEMRは許容されると考える.
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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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