抄録
症例は63歳,男性.症候性胆囊結石症に対して待機的に腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.術中に胆囊切離面からの胆汁漏を認めたが,追加クリップで修復できたためそのまま手術終了とした.術後13日目に前上亜区域胆管枝(B8)の離断型胆汁漏を認めた.離断された胆管との間に介在する臓器がなく,胆管同士の距離が3cm以下であること,術後日数が経過しており再開腹による吻合は高侵襲と考えられたため磁石圧迫吻合術(山内法)によるB8-総胆管吻合の適応と判断された.PTCD交換を繰り返し16Frとなった時点で,PTCD経由の子磁石とERC経由の親磁石を吸着させてB8と総胆管を吻合した.その後,黄疸の進行や胆汁漏の再発は認めておらず良好な経過をたどった.離断型胆汁漏の治療は難渋することが多いが,今回,低侵襲で治療しえたため,若干の文献的考察を加え報告する.