抄録
当院にて2013年4月から2015年3月までにESDを施行した111例(食道4例,胃60例,大腸47例)における後出血の抗血栓薬内服の有無を検討した.緊急内視鏡で止血処置を要したものと術後内視鏡にてForrest IaもしくはIbの出血を認めたものを後出血とした.後出血は8例(7.2%,胃6例,大腸2例)で認め,そのうち,4例(胃3例,大腸1例)が抗血栓薬を内服しており,抗血栓薬内服群のうち16.7%(4/24)にまでおよんだ.逆に抗血栓薬非内服群での後出血は0.04%(4/87)に留まっていた.また,抗血栓薬内服群での後出血は術後9日目以降に発症したのに対し,非内服群での後出血は術後2日目以内に発症した.ESD後フォローアップ内視鏡は,後出血改善につながらないという報告がある一方,抗血栓内服症例のフォローアップ内視鏡の有用性の報告もあり,一定のコンセンサスはない.当院での検討では抗血栓薬非内服群での後出血が術後2日目以内に発症しており,抗血栓薬内服の有無に関わらずフォローアップ内視鏡は術後早期に施行する必要があると考えられた.若干の文献的考察を加え報告する.