ペドロジスト
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インドネシヤ,中部ジャワにおけるGrumusolについて : 予報
松野 正尾中 健二郎有賀 直記
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1970 年 14 巻 2 号 p. 95-101

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抄録

Semporダム灌漑計画の一環としてインドネシヤ,中部ジャワのインド洋側のゴンボン付近の土壌調査を行なった。当地域はアルカリ泥岩,安山岩の風化堆積した平坦な沖積地である。土壌断面形態,理化学的性質,粘土鉱物の同定から,当土壌は分類学上典型的なGrumusolに属することがわかった。土壌断面形態は表層から50cmまで黒色の重埴土であり,黒泥土と類似の手触をもつ。乾燥するとキ裂を生じ,大きな発達した塊状構造を示す。理化学的性質の特性としてはpH(H_2O)はアルカリ性を示すがpH(KCl)では弱酸性であり,粘土含量高く,有機物含量少く,置換容量が高く,置換性塩基はマグネシウム,カルシウムがきわめて高く,全含量の80%も示す。またソーダもカン水侵入のため比較的多い。粘土鉱物はMontmorilloniteを主体とし,加水雲母,Metahalloysiteを含む。当土壌はGrumusolの生成し易い自然環境条件の上にカン水の添加と乾季に水田として利用されているため,その生成作用がさらに助長されたと考えられる。

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© 1970 日本ペドロジー学会
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