1990 年 34 巻 1 号 p. 37-46
蛍光X線分析による土壌中の主要元素の定量で,検量線の作成用の試料として土壌標準試料(NDG-1〜8)を用いることを検討した。結果は以下のとおりである。(1)土壌標準試料の化学分析値の分布範囲と岩石標準試料の保証値の分布範囲とが,かなり異なる元素のあることがわかった。(2)土壌標準試料を用いて作成した各元素の検量線は一次回帰となり,主要10元素については,X線強度のきわめて弱いマグネシウム,マンガン,ナトリウムを除いて,この検量線に基づいて定量が可能であることが明らかになった。(3)供試土壌の化学分析値とこの方法による蛍光X線分析値とが近似したので,この分析法が有用なことが明らかになった。