ペドロジスト
Online ISSN : 2189-7336
Print ISSN : 0031-4064
データベースに基づく環太平洋火山帯北部に分布するアンディソルの特性 : I. 物理的性質
南條 正巳庄子 貞雄
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 36 巻 2 号 p. 108-117

詳細
抄録

環太平洋火山帯北部のメシック〜クライイックな土壌温度状況およびユーディックな土壌水分状況にあるアンディソルの物理性についてデー夕べースを作成して検討し,次の結果が得られた。1.過酸化水素分解,超音波処理,pH(4または10)調整後のピペット分析によって得られる非アリックB,C層試料の粘土含量は酸性シュウ酸塩可溶ケイ素,鉄含量から経験係数を用いて得られたアロフェンとフェリハイドライト含量の和に一致した。このような分散法を用いれば粘土含量としてより信頼性の高い値が得られる。2.アンディソルの容積重の低下に寄与する成分はアリック試料では腐植,非アリック寡腐植質試料では非晶質成分,非アリック多腐植質試料では腐植と非晶質成分である。3.非アリック寡腐植質試料の1.5MPa含水比は非晶質成分含量と高い相関があり,これらの試料の1.5MPa含水比は非晶質成分の重量の約1.5倍に相当する。4.アロフェン質試料の1.5MPa含水比の風乾による減少は非アロフェン質試料の約1.5倍でこの現象にはアロフェンの寄与の方が大きい。風乾後の1.5MPa含水比に対する腐植含量の寄与率は未風乾土より高くなる。

著者関連情報
© 1992 日本ペドロジー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top