1994 年 38 巻 2 号 p. 46-54
弘法・大羽法による腐植の形態分析における炭素の定量にICP発光法の適用を試みた。従来の弘法・大羽法による結果とICP発光法による結果の対比によって,ICP発光法による炭素の定量が腐植の形態分析に利用できることが明らかとなった。この手法により,煩雑な腐植の形態分析をかなり簡易なものにすることができる。また,腐植の簡易分析法においてNaOH抽出腐植の炭素量をICP発光法で測定し,NaOH抽出腐植の炭素濃度当たりの600nmの吸光度(K_<600>/Cmg・L^<-1>)を算出し,これとMelanic Indexを組み合わせて,土壌の型の判定法としての適用についても検討した。その結果,A型腐植酸の判定ならびに腐植酸の腐植化度の推定においてMelanic Indexとも結果が合うことが明らかとなった。