重粘土及び泥炭土の転換畑の区域で,排水改良工種が異なる圃場での,秋播き小麦の生育期の航空写真データと収量から排水効果を主眼として検討した。1)重粘土転換畑での暗渠排水では補助暗渠併設の効果が,小麦収量と赤外Rによる小麦生育程度により確認されると推定された。2)隣接水田からの浸透水の侵入を受けている泥炭土転換畑での秋播き小麦の生育・収量が浸透水の侵入を受けていない転換畑での生育収量よりも劣ることが赤外Rデータや収量調査によって確認された。浸透水の影響を受けていた圃場で周囲に小明渠を掘削することにより,小麦の低収量は解消された。これは上記の浸透水の侵入による排水不良が解消されたことによるものと考えられる。3)播種約2カ月後の赤外線写真の赤外Rは小麦生育の指標として有望で,排水改良効果や局所的な排水不良部の把握に適していると考えられる。