抄録
青森県下北半島の恐山火口付近に分布する強溶脱土壌の生成と金属元素濃度の断面内垂直分布を,その周辺に生成する黒ぼく土とポドゾル性土との比較で検討した。調べた金属種は,Al,Co,Cu,Fe,Mn,Pb,Ti,およびZnである。黒ぼく土では,活性AlとFe(酸性シュウ酸塩可溶Al(Al_o)とFe(Fe_o))の土壌断面内分布はほぼ均一であった。ポドゾル性土では,ポドゾル化による溶脱と集積を反映して,集積層にFe_oの濃縮がみられた。これに対して,強溶脱土壌のAl_oとFe_o濃度は深さ1mまでの全層で低かった。土壌中における金属元素濃度(全濃度)の垂直分布は各土壌の生成過程に密接に関連していた。すなわち,強溶脱土壌における大部分の元素の濃度は黒ぼく土やポドゾル性土に比べて低かった。ただし,強溶脱土壌でも,移動性の小さな元素であるTi濃度は相対濃縮のため,高い値を示した。