ペドロジスト
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国土調査(土地分類調査)で作成された土壌図の日本の統一的土壌分類体系-第二次案(2002)-への読み替え
井野 文雄田中 治夫庄司 浩
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2013 年 57 巻 1 号 p. 2-11

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抄録

国土調査(土地分類調査)で作成された土壌図を日本の統一的土壌分類体系-第二次案(2002)-へ読み替えて,土壌図を作成して対比し,その有効性について考察をした。静岡県浜岡町と山口県旭村で行われた国土調査の土壌図の凡例にある土壌柱状図を元に統一的分類への読み替えを行った。両図とも,多くの土壌区分は統一的分類の中心概念から期待された土壌亜群にキーアウトされたが,一部は異なる土壌に分類された。その理由は,統一的分類では風成の砂丘砂から生成した土壌を沖積土大群と見なさないことや,統一的分類の沖積土の厚さ要件を満たさないためであった。また,土壌図を比較すると,農耕地では土壌図の括りとしては大きな違いは見られなかったが,山地では区分の細かさが異なった。国土調査では褐色森林土を乾湿により区分しているが,統一的分類では区分していないためであった。1/50,000の縮尺では図上にカテナの表現は適さず,統一的分類の亜群レベルが妥当であると考えられた。

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© 2013 日本ペドロジー学会
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