日本歯周病学会会誌
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原著
歯周治療のメインテナンス期における歯周状態とBody Mass Index, 血圧との関係
山本 龍生下野 順子神社 亜生恒石 美登里渡邊 達夫
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2004 年 46 巻 4 号 p. 247-252

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抄録

歯周疾患と肥満や血圧との関連性が報告されているが, 対象者が歯周治療を受けたか否かは不明である。治療により歯周組織の状態が改善した集団においてもその関連性が見られるならば, 両者の関係は強固であると考えられる。本研究では, 歯周治療のメインテナンス期にある患者の歯周状態がbody mass index (BMI) や血圧と関連するか否かを調べた。
歯周治療のメインテナンス期にある男性60名, 女性88名を対象とした。口腔内所見として, 現在歯数, 平均歯周ポケットの深さ (PD), 平均アタッチメントレベル (AL), プロービング時の出血部位の割合 (BOP), 歯垢指数 (PCR) を診査した。喫煙, 身長, 体重を質問し, 自動血圧計で最高血圧, 最低血圧, 脈拍を測定した。各指数について男女間で比較すると, PD, AL, PCR, 最低血圧, 身長, 体重, BMIに有意差がみられた。喫煙者は全て男性であった。
男女別にPD, AL, BOPをそれぞれ従属変数とし, 年齢, 現在歯数, PCR, 最高血圧, 最低血圧, 脈拍, 身長, 体重, BMI, 喫煙の有無を説明変数として重回帰分析 (逐次選択法) を行った。その結果, PDは男性のBMIと関連がみられたが, 女性ではいずれの指標とも関連がなかった。ALは男性では現在歯数, 最低血圧, 喫煙と, 女性では現在歯数および年齢と関連がみられた。BOPは男性の体重, 女性のBMIとの間に有意な関連性がみられた。PDやBOPは歯周組織の状態と関連していることから, 歯周疾患とBMIとの関連性は, 歯周状態が治療により改善し, 安定した集団においてもみられることが示唆された。

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© 2004 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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