日本歯周病学会会誌
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症例報告
インプラント植立に先立つブロック骨移植
―包括的治療による審美性と機能性の改善―
内田 剛也吉田 拓志柏木 恒毅伊藤 公一
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2004 年 46 巻 4 号 p. 306-314

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抄録
近年, インプラントは単独歯から多数歯の欠損に適用される予知性の高い歯科治療のひとつとなってきた。しかしながら, インプラント植立にあたり, 歯の喪失や歯周疾患によって十分な歯槽骨量が残存していないことがしばしばある。特に, 咬合性外傷をともなう歯周炎の患者の歯の喪失は, 抜歯部位での利用可能な骨外形に影響を及ぼすものであり, このような患者においては垂直的な高さや頬舌的な幅径が不足していることも多い。その解決法は, 失われた骨量を骨移植により再建することである。下顎骨から採取したブロック骨移植は, 不足した顎堤の垂直的な高さと同時に幅も増大するための有効な治療法のひとつである。
今回, 両側下顎大臼歯部の欠損による咀嚼障害を主訴とし, 上顎前歯部に審美障害を有する57歳女性の症例に対して歯周外科治療, ブロック骨移植による歯槽骨の増大, インプラント補綴, 部分矯正治療を行い歯周組織の炎症のコントロールと安定した咬合を確立した。その結果, 審美および咀嚼障害が回復した症例を報告する。
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© 2004 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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