抄録
本研究ではニフェジピンを投与されている患者の増殖した歯肉中から細胞外マトリックスの主成分であるグリコサミノグリカン (GAG) を抽出し,そのGAGの定性・定量を行い生化学的に歯肉増殖とGAGの関連性について分析した。高血圧症のためニフェジピンを服用し歯肉増殖を生じた患者5名の歯肉 (ニフェジピン服用群) と,ニフェジピンを服用していない水平埋伏智歯抜歯患者6名の抜歯時に採取した歯肉 (対照群) から歯肉GAGを抽出,定性・定量を行い両群で比較検討を行った。両群の歯肉GAGからはヒアルロン酸 (HA) ,ヘパラン硫酸 (HS) ,デルマタン硫酸 (DS) ,コンドロイチン硫酸 (CS) に相当する画分を認め,各GAG画分の定量では,HAとDSが主要GAG成分でありHSとCSはマイナー成分であった。増殖歯肉では総GAG量が増加し,主に増加したのはHAであった。歯肉増殖の質的変化の一部分を検討した結果,GAG量の増加が関連し特にHAの関与が大きいことが示唆された。