日本歯周病学会会誌
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調査・報告
ダルインスツルメントを使用したシャープニング実習の評価
岡安 こずえ金森 行泰大澤 銀子川村 浩樹仲谷 寛
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2007 年 49 巻 4 号 p. 332-339

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抄録

スケーリング・ルートプレーニングは, 歯周治療においては, 主要な治療の一つであり, キュレットの刃の状態は処置内容に大きな影響を及ぼす。そのため, 適切に器具を管理することは不可欠であり, シャープニングは重要な手技である。そこで, 日本歯科大学生命歯学部, 歯周疾患治療学実習において, ダルインスツルメントを用いたシャープニング実習を行い, その効果について検討した。
実習は, 顎模型でのグレーシーキュレットを用いた全顎のスケーリング・ルートプレーニング実習を経験した本学4年生を対象とし、ダルインスツルメントを用いてシャープニング実習を行った。シャープニング終了後、教員による刃部の形態評価(「良好」, 「可」, 「変形」の3段階)と学生に対して, 実習内容に関するアンケート調査とを実施した。
形態評価の結果、1回目と比較して, 2回目で「良好」、「可」の割合が増加し、「変形」の割合が減少した。また、アンケート調査ではシャープニング実習を通してスケーラーの構造をより理解し、さらに、その構造を理解する必要性を感じた学生が多かった。
ダルインスツルメントは, 刃が全く無い状態からシャープニングを行い、刃部を作製するため、学生はスケーラーの構造および刃部の形態をより深く理解し, シャープニング・テクニックを体得しやすいと思われる。そのため、シャープニング実習にダルインスツルメントを用いることは効果的な方法であると考える。

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© 2007 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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