日本歯周病学会会誌
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原著
歯周基本治療における歯科医師と歯科衛生士の連携に関する実態調査(第2報)-チーム医療に関わる要因-
西村 実佐子佐々木 好幸木下 淳博
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2011 年 53 巻 2 号 p. 125-132

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抄録

われわれは以前に日本歯周病学会専門医が勤務する歯科医院を対象に歯周基本治療における歯科医師と歯科衛生士の連携の実態を調査し報告した。本研究では同調査で得られた202件のデータについて因子分析を行い考察した。
主因子法・バリマックス回転による因子分析によって因子を抽出し, 回帰法により因子得点を算出した。次に, 院長経験年数, 日本歯周病学会認定歯科衛生士(準備中含む)数, 1人の歯周基本治療患者に1来院あたり歯科衛生士が主として接する時間割合(歯科衛生士チェアタイム比率)の3項目について, 回答によって対象者を複数の群に分け, 因子得点の平均値を比較した。
因子分析により5因子が抽出された。寄与率の高い順に, 専門的技術の発揮の程度, 治療方針・計画への関与度, 任されている程度, リソース充実度, ユニット稼働状況とした。院長経験年数が13年を超える群では, 専門的技術の発揮の程度, 治療方針・計画への関与度が高かった。日本歯周病学会認定歯科衛生士(準備中含む)数が多いほど, 専門的技術の発揮の程度, 治療方針・計画への関与度, リソース充実度が高かった。歯科衛生士チェアタイム比率が高いほど, 専門的技術の発揮の程度, 任されている程度, リソース充実度が高かった。
歯科衛生士にとってやりがいのあるチーム医療は, 院長経験が長く, 認定歯科衛生士が多く勤務し, 歯科衛生士チェアタイム比率が長いことと関連が高いことが示唆された。
日本歯周病学会会誌(日歯周誌)53(2) : 125-132, 2011.

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