日本歯周病学会会誌
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原著
SPT期間の慢性歯周炎患者における歯肉溝滲出液中の骨型アルカリホスファターゼ量と臨床パラメータとの関係
上原 直伊藤 弘橋本 修一沼部 幸博
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2018 年 60 巻 1 号 p. 26-34

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抄録

歯根膜をはじめとして歯周組織では高いアルカリホスファターゼ (ALP) 活性があることが知られており, 歯根膜の遺伝子型は骨型であると報告されている. そこで, 歯周炎などにより歯周組織が損傷すると歯肉溝滲出液 (GCF) 中に骨型ALP (bone-type ALP; BAP) が遊離する可能性がある. 本研究の目的は, GCF中のBAP量と臨床パラメータとの比較を行い, GCF中のBAP検索の意義を検討することである. そこで, SPT患者76名から健常部位 (PD ≤4 mm・BOP (-) )と病変部位 (PD ≥4 mm・BOP (+) )からGCF採取を行ない, 臨床パラメータを測定した. 臨床パラメータは, PlI, GCF量, GI, PD, CAL, BOP, 歯槽骨吸収率とした. 生化学検査項目は, BAP量, アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST) 活性, 蛋白質量とした. さらに, BAP量のカットオフ値を算出し解析を行なった.

その結果, 病変部位でのBAP量は健常部位に比べ有意に高い値を示した. さらに, 健常部位におけるカットオフ値以上群は, カットオフ値以下群に対しAST活性と蛋白質量が統計学的に有意に高い値を示した. 以上の結果から, BAP測定は微弱な歯周組織の損傷を捉えられる可能性が示唆された.

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© 2018 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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