2021 年 63 巻 1 号 p. 1-10
現在様々な形態の歯ブラシが多数製造されているが,それらを同一条件で比較した報告は少ない。そして,ブラッシングの習熟度と歯ブラシの形態が及ぼすプラーク除去効果への影響について報告している研究は非常に乏しい。そこで我々は,プラーク除去効果について,5種類の特徴的な歯ブラシを用いて,ブラッシングの習熟度が異なる2群で比較検討を行った。歯科医師10名(P群),歯科医院でのブラッシング指導が未経験である習熟度が低い外部ボランティア10名(V群)に対し,5種類の歯ブラシを用いてブラッシングを行わせた。ブラッシング前後に智歯・過剰歯・治療途中の歯を除いた全永久歯を染色し,Plaque Control Recordを用いてその前後のプラークスコアを測定し,プラーク除去率を算定した。
その結果,V群では,いずれの歯ブラシを使用してもプラーク除去率は低く,差はみられなかった。一方,P群ではいずれの歯ブラシを使用してもプラーク除去率はV群より高く,使用した歯ブラシによってプラーク除去率が異なっていた。特に,毛先が歯面に到達しやすく適正なブラッシング圧がかかりやすいように形態が工夫された操作性の良い歯ブラシのプラーク除去率が高かった。
以上により,習熟度が異なるとプラーク除去に効果的な歯ブラシも異なることが示唆された。