日本歯周病学会会誌
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原著
歯周炎新分類 (AAP/EFP2018) のステージとグレードは歯種で異なる-5年間の臨床研究結果より-
茂手木 義男濱島 秀徳華岡 眞幸岡本 行人三澤 一男谷 博一岡田 菜穂子宮澤 康櫻井 千里高木 智幸
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2024 年 66 巻 1 号 p. 17-28

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抄録

解剖学の差(歯種の違い)と歯周炎進行の関係性を確認する目的で,本研究ではAmerican Academy of Periodontology/European Federation of Periodontology の歯周炎新分類において歯種間でClassification に差が生ずるか調べた。

5年間にわたり,日本人の歯周炎患者1,375名ののべ被験歯数99,277歯についてCAL値,PD値,歯の喪失本数,歯の動揺度を検査し,上下類,左右側間,及び歯種間(前歯,小臼歯,大臼歯)でStage,GradeのClassificationの被験歯数を比較した。

被験歯数は上顎と下顎の間に,さらに前歯,小臼歯,大臼歯の間に差が認められた。だが,左右側間では大きな差は認められなかった。歯周炎の進行は,他の歯と比べて上顎歯及び大臼歯においてより顕著であった。

歯周炎新分類において部位および歯種間で歯周炎の進行に差が見られた。

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