2024 年 66 巻 1 号 p. 17-28
解剖学の差(歯種の違い)と歯周炎進行の関係性を確認する目的で,本研究ではAmerican Academy of Periodontology/European Federation of Periodontology の歯周炎新分類において歯種間でClassification に差が生ずるか調べた。
5年間にわたり,日本人の歯周炎患者1,375名ののべ被験歯数99,277歯についてCAL値,PD値,歯の喪失本数,歯の動揺度を検査し,上下類,左右側間,及び歯種間(前歯,小臼歯,大臼歯)でStage,GradeのClassificationの被験歯数を比較した。
被験歯数は上顎と下顎の間に,さらに前歯,小臼歯,大臼歯の間に差が認められた。だが,左右側間では大きな差は認められなかった。歯周炎の進行は,他の歯と比べて上顎歯及び大臼歯においてより顕著であった。
歯周炎新分類において部位および歯種間で歯周炎の進行に差が見られた。