歯周炎罹患歯を用いてスケーリング, ルートプレーニングの歯肉縁下歯根面における器具操作の効果について観察した。スケーリング, ルートプレーニング後抜去した歯の10倍拡大投影写真観察および走査型電子顕微鏡観察の結果, 歯種別にみると, 前歯に比べて大臼歯の方が歯面沈着物を取り残す率が高く, また景的にも多かった。また歯面別にみれば, 唇側, 近心側, 舌側, 遠心側の4歯面で器具操作の効果に差は認められなかった。さらに歯周ポケットの深さ別にみると, 3mm以下の浅いポケットにおけるスケーリング, ルートプレーニングの器具操作の確実性は高く, 一方5mmを越えるような深いポケットにおいては根面処置が困難になることが示された。