日本歯周病学会会誌
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早期接触の研究
顎運動時の初発咬合接触の記録法について
高松 隆常飯野 守康林 和彦加藤 熙
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1985 年 27 巻 3 号 p. 596-601

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抄録

本研究の目的は, 早期接触の実態を解明するために咬合接触と下顎運動を同時記録し比較検討できる装置を組立て, 咬合接触計の精度を調べるとともに早期接触の記録法としての有効性を検討することである。本装置は振動ピックアップを用いた咬合接触計と顎運動を記録するMKGを組合わせ, 両者を同一記録紙上で観察できるよう設計した。被検者に冠装着者3名を選び咬合接触計の精度を調べるとともに, 正常者5名と早期接触者6名の習慣性開閉運動時の初発咬合接触 (FOC) から咬頭嵌合位 (ICP) への滑走時間を測定した。その結果 (1) FOCが正確に記録できた。(2) FOCからICPまでの滑走時間は, 正常者では短かく (15msec 未満), 早期接触者では長い (50% は 15msec. 以上で, 31%は 45msec. 以上)。(3) 以上から, 本装置は早期接触の様相を解明し, 診断するのに有効と思われた。

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