日本歯周病学会会誌
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Orthopantomographyにおける下顎骨の垂直的高さと歯槽骨吸収度, 歯冠長, 歯根長, および解剖学的歯冠歯根比との関係についての研究
吉野 雅巳秋山 文也角田 達彦黒沢 章堀口 令一新井 高中村 治郎
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1986 年 28 巻 1 号 p. 263-269

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抄録

下顎骨の垂直的高さと, 臨床的に不利な解剖学的歯冠歯根比との関係が, 歯周疾患の素因の1つに成りうるかを明らかにするために, 下顎骨の垂直的高さと, 歯槽骨吸収度, 歯冠長, 歯根長および解剖学的歯冠歯根比との関係を比較検討した。
方法は, 無作為抽出法により, 歯肉炎および軽度ないし中等度の辺縁性歯周炎患者100名 (男性44名, 女性56名) のオルソパントモ写真を選択し, 下顎右側第2小臼歯から左側第2小臼歯を測定した。
結果 (1) 下顎骨の垂直的高さ (CEJ-下顎骨下縁間距離) は加齢に伴ない増加した。 (2歯) の長さは加齢に伴ない減少した。 (3歯) 槽骨吸収度は加齢に伴ない増加した。 (4解) 剖学的歯冠歯根比は年齢群間に統計的有意差は認められなかった。 (5下) 顎骨の垂直的高さと歯槽骨吸収度との間には相関性は認められなかった。

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