日本歯周病学会会誌
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歯肉溝滲出液測定器の臨床的検討
土屋 昭夫吉永 英司沼部 幸博鴨井 久一
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1986 年 28 巻 1 号 p. 347-354

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抄録

ペリオトロンエコノミー ® 臨床的評価を行なうことを目的としてつぎの検討を行なった。1) 異なった種類の検体を用い検体量の変動に伴う測定値の変化についての検討を行なった結果, ペリオトロン ® ペリオトロンエコノミーは危険率1%で統計的有意差がみられ, ペリオトロンエコノミーの方が高い測定値を示した。2) 初期治療中の患者15名のGCF量と主な臨床所見との相関は, GCF量とPlI, GI, GBIについては危険率1%で統計的有意な相関性を認めたがPDについては認められなかった。3) 初期治療前の患者5名の2週問のGCF量と主な臨床所見との検討の結果, GCF量, PlI, GIは経週的に減少しGBI, PDは変化しなかった。4) 実験的歯肉炎を発症せしめた5名の被験者の14目間のGCF量と主な臨床所見との検討の結果, GCF量, PlI, GIは経目的に減少しGBI, PDは変化しなかった。以上の結果から本測定器は臨床的にも有用なものであることが示唆された。

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