日本歯周病学会会誌
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ミノサイクリンの局所的応用による歯周病治療法
LS-007至適濃度の臨床的検討
栗本 桂二磯島 修直 良 有香穴田 高小林 芳友栗原 英見木下 正彦野村 慶雄村山 洋二
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1987 年 29 巻 3 号 p. 930-936

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抄録

塩酸ミイサイクリン (MINO) を歯周病病巣の局所に滞留させ, 歯周病原性微生物をコントロールする製剤として開発されたLS-007による治療法を確立するための研究を行った。本報は, MINOの至適濃度を臨床的に検討した成績である。
4mm以上のポケットを有する72歯の歯周炎被験歯に対し, split-mouth法によってMINOを各々1%, 2%, および3%含有する軟膏とMINOを含有しないプラセボを歯周ポケット内に注入し, 微生物学的変動ならびに臨床症状の変化を二重盲検法で検討した。
MINOを含む軟膏群はプラセボ群に比べ, 総微生物に占める運動性微生物の構成比率ならびに微生物密度を著明に減じた。その減少は, 投与後2日目をピークとして, 7日目および14日目まで持続した。統計学的にプラセボ群と比較した有意な低下は, 運動性微生物の構成比率に関しては, 1%, 2%および3%の軟膏群であった。微生物密度に関しては, 投与後2日目の2%軟膏群であった。

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