日本歯周病学会会誌
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ポビドンヨードの培養哺乳類細胞に対する毒性について
岩崎 直弥鴨井 久一盧 東培筒井 健機
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1989 年 31 巻 3 号 p. 836-842

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抄録
ポビドンヨードの培養哺乳類細胞に対する毒性と, その細胞増殖阻害性, 細胞致死効果, 細胞内高分子 (DNA・RNA・蛋白質) 合成阻害性から調べた。その結果, 1. ポビドンヨードの100~500μg/ml (イソジン液®の0.1~0.5%) を24時間以上作用させると, 細胞増殖の阻害がおこった。2. 500μg/mlを2時間, 6時間, 12時間, 24時間作用させると, 作用時間に依存して細胞の致死効果が増大した。3. 500μg/mlを24時間作用させると, 約50%の細胞が死滅した。4. ポビドンヨードの100~500μg/mlを2時間作用させると, 細胞内DNA・RNA・蛋白質合成がともに濃度依存的に減少した。
これらのことは, ポビドンヨードの毒性は, 濃度と作用時間に依存してあらわれること, また, 致死効果があらわれない条件下でも細胞内DNA・RNA・蛋白質合成の抑制がおこることを示している。
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