日本歯周病学会会誌
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臨床パラメーターとポケット内細菌叢に対するスケーリング・ルートプレーニングの効果
2. ポケット減少に相関する術前の因子
柴田 芳子谷 真彦原 宜興加藤 伊八
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1989 年 31 巻 3 号 p. 905-913

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抄録

歯周治療を受けたことのない成人性歯周炎患者に, プラークコントロール下でポケット内洗浄およびスケーリング・ルートプレーニングを行い, 処置後のProbing Pocket Depth (PD) の変化に関連する術前の臨床パラメーターおよびポケット内細菌叢について検索し, 治療後のPDを予測しうる因子について検討した。この結果, 臨床パラメーターのうち減少量や減少率などPDの変化に対して関連があるのは術前のPDで, PDが深いほどPDは減少しやすい傾向がみられた。また, PDの変化とポケット内細菌叢の関連を調べたところ, 菌数よりも単位深さ当たりの菌数 (菌数/PD) の方が相関が強く, ポケット1mm当たりの菌数が多いポケットはPDが減少しにくく, 特に桿菌数や運動性菌数が関与していることが示唆された。さらに各菌の比率でみると, 球菌の比率が高いポケットは減少しやすく, 運動性菌の比率が高いポケットは減少しにくい傾向がみられた。

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