1989 年 31 巻 3 号 p. 941-947
歯周疾患の予防および治療に対する補助的方法として, チューインガムに薬剤を添加し患者に使用させることを試みた。歯肉炎罹患患者にStnptococcus mutans生育阻害剤として注目を浴びているDihydroguaiaretic acidを含有するメースエキス含有ガム, 卵白リゾチーム含有ガムおよび薬剤無添加のガム (コントロールガム) を3週間使用させ, 臨床所見の変化, 副作用の有無について調べた。その結果, コントロールガム使用者には使用期間中, 臨床所見の変化は認められなかったが, メースエキス含有ガム使用者および卵白リゾチーム含有ガム使用者の歯肉の炎症状態, 出血に改善が見られた。また, メースエキス含有ガム使用者においてはプラークの減少がみられた。