日本歯周病学会会誌
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歯周病原菌の酵素活性を指標とした迅速診断法 (SK-013)
細菌叢におけるB. gingivalis , B. forsythus, T. 4enticolaとの関連性
清田 築斉藤 淳山田 了角田 正健佐藤 徹一郎石原 和幸内藤 祐子高添 一郎奥田 克爾
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1990 年 32 巻 1 号 p. 233-240

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抄録
歯齦縁下プラーク中のペプチダーゼ活性を迅速に測定できるSK-013が開発された。T. denticola, B. gingivalis, B. forsythusはtrypsin-like enzyme活性を有することが知られている。本研究では, SK-013活性が歯齦縁下プラーク中のT. denticola, B. ginginlisおよびB. forsythnsのマーカーとなるかを検討した。プラーク試料は健康な10部位と歯周炎に罹患した30部位より3本のペーパーポイントで採取した。プラーク試料中のSK-013活性を測定し, 3菌種の菌数は螢光抗体法を用いて検索した。SK-013活性と3菌種の菌叢にしめる割合および菌数は健康な部位より罹患部位で有意に高い値を示した。SK-013活性と3菌種の菌叢にしめる割合および菌数はGI, PlI, PDの診査項目と有意な相関性を示した。3菌種の存在とSK-013活性の問には有意な相関がみられ, 特にT. denticolaとの相関が強かった。これらから, SK-013活性は歯齦縁下プラークの3菌種の有効なマーカーであり, 歯周炎の診断に有用であることが示唆された。
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