日本歯周病学会会誌
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CPITNによる女子中高生の6年間の歯周疾患調査
米田 栄吉鈴木 敬子佐伯 訓子堀内 博
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1990 年 32 巻 4 号 p. 1068-1076

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抄録

女子中高生を対象にCPITN (Community Periodontal Index of Treatment Needs) を用いて歯周疾患を6年間にわたり調査した。対象歯は上顎左右第一大臼歯, 上顎右・下顎左中切歯, 下顎左右第一大臼歯の6本である。中学1年生の健常者は10%程度であり, 約90%は歯周疾患を有していた。CPITN値は高学年になるにつれて増大し, 6年間連続受診者95名も同様の傾向であり, 特に歯石の保有率が増加した。部位別では左右差はなく, 前歯部・臼歯部とも下顎の方が上顎より疾患の程度が有意に高かった。上顎では臼歯部は前歯部より健常の割合が少なく, 歯石は多かった。下顎臼歯部は前歯部よりポケットの形成が有意に多かった。悪化傾向が認められる群は初年度は軽度であり, 経年的に軽度・中度・重度群に分かれた。一方改善群は当初重度または中度が多かった。6年間で急激な悪化を示したのは全体の0.4%であり, それらは若年性歯周炎が疑われた。

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