抄録
本稿では、少子高齢化の進行がマクロ経済に与える影響に関する経済学的な議論を概観し、それが
2010 年代以降の日本の政策転換・制度整備にどのようにつながったかについて議論する。さらに政府
の政策が、個人・家計の金融経済行動にどのように影響したかについても検討する。論文の後半では、
個人の金融経済行動のインプットとなる情報ソースや情報の収集方法について、最近の学術研究につ
いて議論した上で、個人投資家がより効率的な資産形成を行うための基礎となる金融経済教育の充実
に向けて、どのような課題を克服していく必要があるかについて議論する。