パーソナリティ研究
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原著
考え続ける義務感の低減をターゲットとしたメタ認知療法の効果検証
向井 秀文杉浦 義典
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2022 年 31 巻 3 号 p. 137-147

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抄録

近年,不安や抑うつといった内在化問題の低減に有効な治療アプローチの一つとして,メタ認知療法が注目されている。本研究では,考え続ける義務感といった内在化問題に対して強い予測力を有するメタ認知的信念に着目して,考え続ける義務感の低減をターゲットとしたメタ認知療法の効果検証を行った。大学生34名を統制群と介入群に振り分けて,各群のプレからフォローにかけての指標得点の変化を検討した。対応のあるt検定を実施した結果,統制群のすべての指標得点間に有意な差は認められなかった。一方で,介入群においては,摂食症状以外のすべての指標得点間に有意な差が認められた。また,効果量を算出したところ,統制群よりも介入群において,大きな効果量が認められた。以上から,考え続ける義務感の低減をターゲットとしたメタ認知療法の有効性が示唆された。

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© 2022 日本パーソナリティ心理学会
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