パーソナリティ研究
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原著
  • 木村 大樹
    2019 年 28 巻 2 号 p. 97-107
    発行日: 2019/11/01
    公開日: 2019/11/03
    [早期公開] 公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    自閉スペクトラム症(ASD)を抱える人やその傾向のある人の多くが,高い対人不安を体験している。本研究は,ASD傾向の高い青年の対人不安の特徴を自尊感情および公的自意識との関連から調べることを目的として,大学生395人に質問紙調査(自閉症スペクトラム指数AQ,対人恐怖心性尺度,自尊感情尺度,公的自意識尺度)を行った。その結果,ASD傾向群(AQ≧33, 32人)は対人不安が全般に高かった。また,ASD傾向群は〈集団に溶け込めない〉悩みの高さが特徴的であり,さらに〈集団に溶け込めない〉悩みに対して公的自意識は関連していなかった。一方で,ASD傾向の高低にかかわらず,〈自分や他人が気になる〉悩み,〈社会的場面で当惑する〉悩み,〈目が気になる〉悩みではやはり公的自意識がかかわっており,自尊感情の低さも対人不安全般にかかわっていた。また,ASD傾向は自尊感情を媒介して対人不安に関連していたが,ASD傾向自体も直接対人不安に関連していた。

  • 岐部 智恵子, 平野 真理
    2019 年 28 巻 2 号 p. 108-118
    発行日: 2019/11/01
    公開日: 2019/11/03
    [早期公開] 公開日: 2019/07/03
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は日本語版青年前期用敏感性尺度(HSCS-A)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。本尺度の原版は感受性反応理論の枠組みに立脚し児童期から青年期の感覚処理感受性を測定するものとして開発されている。本研究では青年前期版作成を目的として中学1年生から高校1年生までの942名(女子44%,男子56%)を対象に研究を行った。探索的因子分析の結果,原版同様の易興奮性(EOE),美的感受性(AES),低感覚閾(LST)から成る3因子構造が見出され,直交する一般性因子を含むbifactorモデルが適していることが示された。さらに,パーソナリティ,情動性尺度との関連から構成概念妥当性を検討し弁別性を示す結果が得られ,内的一貫性も許容範囲であることが確認された。これらの結果から,HSCS-Aは感覚処理感受性を測定するおおむね妥当な尺度であることが示された。

  • 下司 忠大, 小塩 真司
    2019 年 28 巻 2 号 p. 119-127
    発行日: 2019/11/01
    公開日: 2019/11/03
    [早期公開] 公開日: 2019/08/14
    ジャーナル フリー

    本研究の目的はDark Triad (マキャベリアニズム,自己愛傾向,サイコパシー傾向)と他者操作方略(寺島・小玉,2004)との関連を検討することであった。大学生210名がDark Triad尺度と他者操作方略尺度を含む質問紙に回答を行った。共分散構造分析の結果,マキャベリアニズムとサイコパシー傾向は自己優越的行動操作に加えて,自己卑下的行動操作や各感情操作に対して正の影響を示した。また,自己愛傾向は自己優越的感情操作のみに正の影響が示された。本研究の結果はDark Triad尺度の妥当性を示すとともに,Dark Triadが高い者は自己優越的行動操作だけでなく,自己卑下的行動操作や感情操作を用いる傾向にあることを示すものであった。

  • 小橋 亮介
    2019 年 28 巻 2 号 p. 128-139
    発行日: 2019/11/01
    公開日: 2019/11/03
    [早期公開] 公開日: 2019/10/07
    ジャーナル フリー

    本研究では,ひきこもり傾向とエフォートフル・コントロール(EC),注意バイアスの関連を検討した。大学生100名(男性40名,女性60名)が,ドット・プローブ課題に取り組み,ひきこもり傾向とECを測定する質問紙に回答した。ドット・プローブ課題では,ポジティブ語,ネガティブ語,ニュートラル語の3種類の刺激を用いた。注意バイアス得点として,Engagement scoreとDifficulty to disengage scoreを算出した。性別ごとに調整媒介分析を行った結果,ECとポジティブ刺激への注意がひきこもり傾向を低減することが示された。また,男性においてECが高い場合には,ポジティブ刺激への注意がひきこもり傾向を低減していた。さらに,女性においては,ECが直接ひきこもり傾向と負の関連を持つのと同時に,ポジティブ刺激への注意を介して間接的にひきこもり傾向と負の関連があった。以上から,ポジティブ刺激への注意を促進させることがひきこもり傾向に対する支援に有効である可能性が示唆された。

  • 吉岡 真梨子, 井上 弥
    2019 年 28 巻 2 号 p. 140-149
    発行日: 2019/11/01
    公開日: 2019/11/03
    [早期公開] 公開日: 2019/10/10
    ジャーナル フリー

    本研究では,青年期前期の中学生男女を対象とし,性役割期待を内包する言葉かけが受け手の自己呈示に及ぼす影響について検討することを目的とした。また,受け手の性別および性役割観によって,性役割に関連する特性の呈示に差がみられるのかを比較することとした。中学生151名(男性77名,女性74名)を性別×性役割条件×伝統的性役割観HLの8群に分け,質問紙調査を行った。自己呈示はM-H-F scaleを用いて,性役割に関連する男性性,女性性,人間性の3特性で測定した。分析の結果,1)女性は非伝統的性役割期待を受けると,伝統的性役割期待を受けるよりも男性役割特性を呈示していた。2)非伝統的性役割期待を受けると,女性は男性よりも男性役割特性を呈示していた。3)女性は男性よりもすべての特性を高く呈示していた。

  • 砂田 安秀, 杉浦 義典, 伊藤 義徳
    2019 年 28 巻 2 号 p. 150-159
    発行日: 2019/11/01
    公開日: 2019/11/03
    [早期公開] 公開日: 2019/10/24
    ジャーナル フリー

    近年,倫理を伴ってマインドフルネスの訓練を行う重要性が指摘されている。本研究では,マインドフルネスと無執着・視点取得の関連に対する倫理の調整効果を検討することを目的として,一般成人193名を対象としたウェブ調査を実施した。階層的重回帰分析の結果,倫理観が強い場合,マインドフルネスが高いほど,無執着が高かった。一方で,倫理観が弱い場合,マインドフルネスが高いほど,無執着が低かった。また,倫理観が弱い場合,マインドフルネスが高いほど,視点取得が低かった。以上の結果から,マインドフルネスは倫理を伴って機能することで有益な結果をもたらし,倫理が欠如した中では有益な結果につながらない可能性が示唆された。

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