パーソナリティ研究
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対人援助職のグリット(Grit)とバーンアウト傾向及び社会的地位の関係――高グリット者はバーンアウトしにくいか?
井川 純一中西 大輔
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論文ID: 27.3.6

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抄録

本研究では,グリット(Grit:根気・一貫性)とバーンアウト傾向(情緒的消耗感・脱人格化・個人的達成化の低下)及び社会的地位との関係について,対人援助専門職(医師,看護師,介護福祉士(男性233名,女性217名))を対象に検討した。Gritと社会的地位に関連が認められるのであれば,職業威信スコアの最も高い医師のGrit得点が最も高くなると予測したが,Gritの間に職種間の差異は認められなかった。一方,管理職と非管理職を比較したところ,一貫性において管理職のほうが高い値を示した。また,Gritがバーンアウト傾向に与える影響について検討したところ,根気は脱人格化及び個人的達成感の低下,一貫性は情緒的消耗感及び脱人格化を抑制していた。分位点回帰分析を用いた検討では,これらのGritのバーンアウト傾向抑制パタンは症状の増悪に伴って変化するものの,どのパーセンタイルでもバーンアウトを増加させる要因にはならないことが明らかとなった。

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© 2018 日本パーソナリティ心理学会
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