ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
原著
殺虫剤によるヒトスジシマカ成虫防除の試み
緒方 一喜渡辺 登志也宮本 和代川口 正将豊田 耕治小曽根 努松岡 宏明白石 啓吾森岡 健志吉岡 照太鈴木 雅也千保 聡美馬 伸治中村 友三足立 雅也芝生 圭吾池田 文明玉田 昭男田中 生男石原 雅典
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2012 年 27 巻 2 号 p. 51-58

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抄録

ヒトスジシマカ成虫に対する殺虫剤による防除実地試験を東京の寺院の庭で2010年の夏に実施した.5%ペルメトリン,10%フェノトリン,7%エトフェンプロックス水性乳剤の50倍希釈液を背負式噴霧機によって50 ml/m2の量で草むら,植木,空地に噴霧した.スイーピング法,ドライアイストラップによる捕集密度の変化,配置した成虫の死亡率から効果を評価した.結果として,ペルメトリンでは約10日間,他の2剤では4~5日間は成虫飛来密度が0近くに減少した.その違いは,処理面積の違いに基づくものであろうと考えた.その後密度は緩やかな回復に向かったが,吸血シーズンの終了に伴い散布前のレベルにまで回復することはなかった.以上の結果から,処理面積を大きくすることで,感染症発生時の緊急的媒介蚊防圧にこの手法は充分に実用的効果があるだろうと結論した.

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© 2012 日本ペストロジー学会
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