東京都港区六本木周辺の歩道においてワモンゴキブリの季節消長を調べた.目視調査を2019年8月~12月と2020年5月~12月に,粘着トラップによる捕獲調査を2020年7月~12月と2021年1月~6月に行った.目視で2019年は22個体が,2020年は26個体が確認された.粘着トラップで,2020年に成虫42個体(雄18,雌24)と幼虫10個体が,2021年に成虫27個体(雄11,雌16)と幼虫5個体が捕獲された.本種は汚水桝マンホール内に生息し,気温の上昇に伴い夏季を中心に歩道を徘徊することを確認した.
2021年10月に大阪府から初記録となるヒメチャバネゴキブリが得られた.採集地では多数の個体が確認され,付近には沖縄本島からの貨物船が到着する船着き場があることから,沖縄県から移入したと考えられた.また,2022年にも採集されたことから,定着していると考えられた.
2022年4月と7月に東京都心の高層ビルに囲まれた屋外緑地において,クマネズミを2頭捕獲した.ネズミの侵入を防ぐ対策が重要である.
We found a roof rat (Rattus rattus) with an abnormally elongated incisor. The rat was caught on a glue trap, which was set in a Japanese Pub in Tokyo.
2021年に福岡県の物流倉庫と食品倉庫,さらに神奈川県の食料品扱い店舗でトルキスタンゴキブリを捕獲した.1978年に大阪市で初めて報告されて以降,日本での報告が増加している.その要因として物流件数の増加と,爬虫類の餌昆虫としての流通量の増加が考えられた.これらより,本種は注意すべき重要な害虫種であると考えられる.
2022年5月12日から6月9日まで,埼玉県所沢市にある工場の2Fトイレに設置した粘着トラップ(PPトラップ,イカリ消毒株式会社製)に捕獲された.本工場では同様の方法で調査を行っているがこれまでに本種が捕獲されたことはなく,その後も追加捕獲はされていない.
2022年6月,茨城県つくば市の一般住宅地のマンション3階ベランダに設置されたノシメマダラメイガ用のフェロモントラップに,ニセコクマルハキバガの雄1個体が捕獲された.本州での本種の採集記録として,和歌山県,大阪府,神奈川県,東京都に続く記録であった.
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