1997 年 12 巻 1 号 p. 50-52
名古屋市内3ヶ所で採集したチャバネゴキブリに対する2種のベイト剤に対する感受性試験を行った.
ヒドラメチルノン製剤においてはbのみが10日以内に100%致死に至らなかった.これはBでヒドラメチルノン製剤の使用期間が長く,そのためベイト剤を忌避する個体が存在していると思われる.穴あり法と直置き法では致死効果に違いは見られなかった.
フェニトロチオン製剤では,ヒドラメチルノン製剤と比較して若干の致死効果の低下が認められた.
この低下の要因として,感受性に比べてフェニトロチオンに対する抵抗牲が21~114倍と極端に高いことが考えられる.また,喫食痕数変動の比較から過去にベイト剤を使用したグループでは感受性と比較して喫食が少なくなる傾向がみられた.これはベイト剤の有効成分であるフェニトロチオンに対する忌避もしくは喫食を拒否する行動の現れではないかと考える.