静脈学
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原著
空気容積脈波法による下肢静脈機能評価時の工夫――片足立ち法と従来の方法との比較検討――
飛田 研ニ小畑 貴司原田 良知山本 清人松原 純一
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2000 年 11 巻 3 号 p. 225-231

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抄録

空気容積脈波法を用いて下肢の静脈機能評価を行うに当たり,従来のChristopoulosらの方法(以下Christopoulus法)では測定肢の虚脱に困難を伴う症例が多いことから,対側肢を台に乗せて測定する方法(以下,片足立ち法)を考案した.健常12例,20肢を用いてChristopoulus法との比較を行った.Christopoulos法では,静脈容積量(以下VV)94.0±27.7ml,静脈流入率(以下VFI)0.92±0.43ml/sec,駆出率(以下EF)53.2±14.3%,静脈血残存率(以下RVF)28.8±14.9%であり,片足立ち法では,各々84.2±22.6ml, 1.08±0.70ml/sec, 50.4±16.4%, 33.3±21.0%であった.Christopoulos法と片足立ち法の間には,VVでr=0.832, VFIでr=0.552, EFでr=0.504, RVFでr=0.833の相関を認めた.Christopoulos法に比べ片足立ち法ではVVが少なかった(p=0.014)が,各々のパラメータは良く相関しており,測定時に被験者の理解が得られやすくChristopoulos法以上に容易に静脈機能を評価しうると考えられた.

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