静脈学
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原著
当院における日帰りストリッピング手術1197例の検討
小窪 正樹野坂 哲也佐藤 一博
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2003 年 14 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

過去5年間に施行した日帰りストリッピング手術,1197例1704肢(大伏在静脈:1307肢,小伏在静脈:397肢)について検討した.麻酔は,局所麻酔2剤とプロポフォールを併用した.手術は,完全なる高位結紮と伏在静脈の逆流部分のみを抜去する選択的ストリッピング,及び瘤切除の追加を基本手技とした.1時間の安静臥床後に帰宅とした.麻酔合併症では,局麻中毒はなかったが,プロポフォールによる心室性期外収縮を2例に認め全身麻酔へ移行した.手術合併症では,緊急手術を要した後出血を1例,止血困難例を3例に認めた.前者は抗血小板剤を内服していた例であり,血腫除去術のみで事なきを得た.創感染を6肢0.35%に認めたがいずれも外来通院にて完治した.伏在神経傷害は全体で59肢4.5%に認めたが,大伏在静脈全長抜去例においても8.8%と少なく局麻によりIntra-adventitial dissectionが容易になったためと考えられた.その他,深部静脈血栓症や肺梗塞等の重大な合併症は経験しなかった.

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