静脈学
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原著
原発性腋寓-鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)の臨床的検討
四方 裕夫水野 史人清澤 旬野口 康久小畑 貴司飛田 研二坂本 滋松原 純一
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 16 巻 4 号 p. 235-241

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抄録

上肢の深部静脈血栓症は稀で,深部静脈の血栓症の1~ 2%とされる.われわれは原発性の腋窩―鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)5名6症例を経験した.主症状は上肢の腫脹で,年齢は21~52歳の平均37±13.16歳,すべて男性であつた.スポーツに関連すると思われたものは1名のみで,他に肉体労動者(トラックの運転手)が1名で,4名は利き腕に発症し,1名は異時性の両側発症であった.ステント療法や頸肋・第一肋骨切除などの除圧加療は行わず,抗凝固剤の投与または抗凝固剤・抗血小板薬の投与,血栓溶解療法などの保存的加療で症状は軽快した.経験症例のうち1症例に異時性の両側の肺塞栓症の合併をみた.

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