静脈学
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原著
下肢伏在静脈瘤に対するradiofrequency obliteration治療症例の短期成績―Air plethysmographyによる効果判定―
小畑 貴司野口 康久飛田 研二四方 裕夫坂本 滋松原 純一
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2005 年 16 巻 4 号 p. 251-257

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抄録

大伏在静脈の逆流による下肢静脈瘤に対しradiofrequency energyによるendovenous obliterationを施行し,1カ月以上経過した6例8肢(男性1例2肢,女性5例6肢)において,術後1カ月日の治療成績について検討した.治療成績の判定には,air plethysmography (APG)検査と超音波エコー検査を用いた.目的とした範囲の大伏在静脈は,操作終了直後のエコー検査では全肢で完全閉塞を得ることができたが,術後1カ月目に1肢(12%)で再疎通を認めた.血栓症や皮膚熱傷などの重篤な合併症は全肢で認めなかつたが,術翌日に焼灼部の疼痛や感覚異常を各々2肢で認めた.しかし,術後1カ月日には全肢で症状が軽減した.APG検査では,全肢において術前より術後でvenous filling index(VFI)が統計学的に有意に改善していた.すなわち,術前VFIは平均5.904±3.812(1.611~11.48)であつたが,術後1カ月のVFIは平均2.091±1.712(0.737~5.143)に改善した.本法は,定型的ストリッピング術と比較して低侵襲的治療法であり,術後急性期合併症についても軽減できたことから有効な治療法である.しかし,蛇行が著しいなど不可能な症例もあるので,適応については十分な検討が必要であると考えられる.さらに長期のフォローアップも必要である.

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