静脈学
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原著
周術期における下肢深部静脈血栓症診断の効率化
矢野 光洋中村 都英長濱 博幸松山 正和石井 廣人横田 敦子鬼塚 敏男
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 22 巻 3 号 p. 231-237

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抄録

当院における周術期VTE防止対策について,外科,心臓血管外科,整形外科(骨盤以下),産婦人科において施行された待機的手術症例連続342症例を対象に検討した.術前および術後7日目に採血を行い,D-dimer値を測定して基準値以上の場合には下肢静脈エコーを施行した.VTE早期診断のために,診断感度を落とすことなく,より効率的にスクリーニングする基準として,術前においては「DD値2.0 μg/ml以上」,術後においては「術後7日目におけるDD値10.0 μg/ml以上かつ3日間以上の術後安静」が,静脈エコーを施行するための最も良好な判断指標となる可能性が示唆された.また,安静期間と術後7日目のDD値から類推して,術後,より早期でのDVT検索を行う必要がある可能性が示唆された.

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