日本写真学会誌
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解説
八幡製鐵所の古銀塩ガラス乾板の画像復元プロジェクトの報告
岩本 康平
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2020 年 83 巻 3 号 p. 244-251

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抄録

八幡製鐵所が1870年から75年に渡って撮影し,記録資料として保管していた銀塩乾板から画像データの抽出(復元)作業を行なった際の報告である(作業年:2008年-2011年).古銀塩乾板の復元(画像データ抽出)では,保有するオーナーの意向に沿って方法を開発実施することが最も重要な条件の一つになる.今回はオーナーの要望に基づき,中判カメラおよび医療用撮影台を用いることで,乾板を傷つけず4300万画素の画像と一部1.5億画素までの高解像度の画像データ化に成功した.これにより世界遺産の登録に役立つ証拠を発見したほか,当時の文化的情報,写真加工などの痕跡も発見で きた.この研究を基礎に,新たな古写真研究の参考となることを期待する.

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© 2020 社団法人 日本写真学会
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