日本写真学会誌
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最新号
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特集:2019年の写真の進歩
  • 吉田 英明
    2020 年 83 巻 3 号 p. 169-206
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/11/02
    ジャーナル フリー

    「写真の進歩」は,毎年一度時期を決めて前年一年間の写真分野の動きを振り返ることにより,日々進歩を続ける写真技術の全体像を時系列的に俯瞰することを狙いとして,継続的に取り組んでいる企画です.執筆陣は,技術委員会傘下の各研究会の代表者を中心に,外部の識者も加えた各分野の専門家により構成されています.各執筆者は担当の分野に応じた観点から,前年一年間に発表された技術(文献)・製品・作品・統計等について,可能な限りその特徴・傾向・分析などのコメントを加えつつ紹介します.具体的な内容については各執筆者の意向を尊重しています.

    なお「2004年の写真の進歩」以来15年間テーマとして来た「分光画像」については,本学会内における活動の沈静化に鑑み,昨年までを区切りとして掲載を終えることとしました. 過去の「写真の進歩」は,本学会誌の内容を一定期間が経過した後に無償Web公開しているJ-STAGEの日本写真学会誌ページ(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/photogrst/list/-char/ja)で見ることができます.各巻(年)の第3号を検索すれば,本特集「写真の進歩」全文のpdf ファイルが掲載されています.分野ごとに連年の記事を追って頂けば,定点観測的な視点から眺めて頂けると思いますのでご利用下さい.

    新型(2019年型)コロナウィルス感染症(COVID-19)の災禍は,海外一部地域での流行開始が年末であったため,2019年の分野状況にはまだ影響していませんが,本特集の執筆に際して多大な影響を与えたことは,読者の皆さんの想像にも難くないと思います.外出が制限されて業務や授業の遠隔通信対応に忙殺されたり,図書館など文献調査に利用する施設が閉鎖されたりなど,それぞれに困難極まる状況の中,最終的にはほぼ例年通りのご対応を頂いた執筆陣に,この場をお借りして深く感謝申し上げます.

    国立研究開発法人科学技術振興機構の電子ジャーナルプラットフォーム「科学技術情報発信・流通総合システム」

解説
特集:西部支部
解説
  • 中村 一郎
    2020 年 83 巻 3 号 p. 229-233
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/11/02
    ジャーナル フリー

    失われる事もある文化財の姿を記録する文化財写真には常に撮影時点でできうる限りの高精細な記録が求められる.撮影 時点では読み出すことが困難な情報であっても技術進化を経たのちに高精細な写真画像を利用し,さらに進化した情報を得ることも可能である.

  • 西城 浩志
    2020 年 83 巻 3 号 p. 234-243
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/11/02
    ジャーナル フリー

    わが国の鉄道建設は主に英国人技術者に依ったため,鉄道開業前後から数年間については,書誌記録はあっても具体的な イメージを与える画像史料はほとんどない.レールから車両まですべてを輸入したが,どこでどのようにして組み立てたか,線路工事はどのようにしたのか,駅舎の内部や乗客がたどる経路,列車編成と両数,列車運行,貨物列車は,などなど,ほとんど判っていない. 当時の貴重な画像ニュースである錦絵は,眼前の現実を正確に描くが,未来については想像が強く,絵の信頼性を損なう. 当時の写真は外国人向けの土産品であり,購入者にとって珍しい風物や習俗を写しており,母国のそれのコピーに過ぎない鉄道などは,注目されない.そのような中で,技術者の業績記録のために,あるいは彼らの間の情報共有を目的として残された写真と,一般向けの風景写真に写り込んだ鉄道施設を詳細に読み解き,書誌記録と照合することで,鉄道黎明期を明らかにする.

  • 岩本 康平
    2020 年 83 巻 3 号 p. 244-251
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/11/02
    ジャーナル フリー

    八幡製鐵所が1870年から75年に渡って撮影し,記録資料として保管していた銀塩乾板から画像データの抽出(復元)作業を行なった際の報告である(作業年:2008年-2011年).古銀塩乾板の復元(画像データ抽出)では,保有するオーナーの意向に沿って方法を開発実施することが最も重要な条件の一つになる.今回はオーナーの要望に基づき,中判カメラおよび医療用撮影台を用いることで,乾板を傷つけず4300万画素の画像と一部1.5億画素までの高解像度の画像データ化に成功した.これにより世界遺産の登録に役立つ証拠を発見したほか,当時の文化的情報,写真加工などの痕跡も発見で きた.この研究を基礎に,新たな古写真研究の参考となることを期待する.

解説
  • 高田 俊二
    2020 年 83 巻 3 号 p. 252-260
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/11/02
    ジャーナル フリー

    歴史写真はその現場の姿を後世にまで正確に伝えるが,当時の人が抱いていた関心事や現場を訪れた人の印象まで伝えるのは難しい.1863 年外国人居留地横浜に写真スタジオを開設し,スイス使節団あるいはオランダ領事に随行して江戸を訪れた英国人写真家フリーチェ・ベアトは,江戸界隈の写真を数多く残している.そして古代都市トロイヤを1871年に発見したハインリッヒ・シュリーマンは,それに先立つ1865年に世界漫遊の中で一ヶ月間日本に滞在した.彼は米国代理公使の招待で5日間横浜から江戸への小旅行を行い,その記録を彼の旅行記に収めた.本報では,ベアト写真とシュリーマン旅行記を重ね合せ,①外国人の殺害現場,②愛宕山のパノラマ風景,③浅草観音寺,④王子の茶屋の4つの場所で,当時の外国人の関心事と印象を考察してみた.

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