1997 年 60 巻 1 号 p. 5-11
エチレンジアミン4酢酸 (EDTA) が鉄錯体として写真処理液に用いられるようになってから, 既に半世紀近くに及ぶ。しかし, 近年, EDTAは, 自然環境中における難分解性への懸念から, 一つの過渡期を迎えつつある。EDTAの代替を目指す生分解性キレート剤の研究開発においては, キレート性能, 生分解性, 低コストの三条件を同時に成立させることが望まれる。
今回は, 写真業界と並んで生分解性キレート剤を要望する声が強い洗剤ビルダー分野を主に取り上げ, 当社研究開発の環境問題への取組みの一端を紹介したい。