日本写真学会誌
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ゼラチンのゾルーゲル変換における濃度とpHの影響
高柳 茂代大野 隆司永塚 規衣大川 祐輔柴 史之小林 裕幸河村 フジ子
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2002 年 65 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

ゼラチンのゾルーゲル変換過程を明らかにするために0.50%~6.67%濃度とpHが3.0~9.0のゼラチン溶液の旋光度測定と動的粘弾性を測定した.ゼラチン0.50%~6.67%濃度における比旋光度の増加速度には濃度依存性があり, 特に1.00%以下の濃度において増加速度は遅かった.ゼラチン濃度1.00%~6.67%の動的弾性率は, 濃度に依存し, ゲルを調製する場合ある程度の硬さを必要とするものは2.00%以上濃度が必要である.ゼラチン溶液4.00%のpH3.0~pH9.0のゾルからゲルへの変換過程において比旋光度は急速冷却, 緩慢冷却ともpH5.0が最も高くなったが, 動的弾性率は低くなった.ゼラチンのゾルからゲルへの変換過程はまず旋光度の増加, 次に動的粘性率, 動的弾性率の増加の順で変化が起こった.

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