2005 年 68 巻 5 号 p. 395-401
前報において, 色材層における多重反射と吸収を考慮して算出した電子写真プリントの反射率は実測値よりもはるかに小さいことを示した.そこで, 吸収, 多重反射に加えて散乱の寄与を取り入れて反射率を計算した.この結果, 表面と裏面の反射率が低い透過画像では多重反射成分は実質的に無視できるが, 裏面の反射率が高い反射画像では散乱成分自身及び照明光により生じる多重反射成分が大きいため, 散乱成分は反射率を著しく上昇させることが明らかになった.この計算により, 電子写真画像の分光反射率の予測精度を大幅に向上できた.