抄録
急性扁桃炎26例, 慢性扁桃炎23例の細菌叢を研究した. また, 扁桃摘出術患者15名の扁桃表面および扁桃内の細菌について検討した.
結果は以下のごとくである.
(1) β溶連菌は急性扁桃炎症例では全分離株中の50%を占めた. しかし, 慢性扁桃炎ではわずか16%を占めただけであった.
(2) 扁桃内外の細菌を比較すると, 統計学的に著明な差はなかった. これらの細菌は, 黄色ブ菌, β溶連菌, H, influenzae, および, αおよびγ Streptococcus, Neisseria, H. parainfluenzaeおよびVeillonellaである.
(3) この研究で, 扁桃の細菌を知りたいとき, 咽頭培養は非常に有益であると結論した.