順天堂医学
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原著
血清cystine aminopeptidase (CAP) 活性の測定法とその臨床的意義
山田 一男
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1979 年 25 巻 2 号 p. 144-155

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抄録

血清Cystine aminopeptidase活性の測定法, および妊婦血清の測定値をまとめ次のことを明らかにした. 1. 現在日常検査法としては, S-benzyl-l-cysteine-P-nitroanilideを用いるWatson変法がすぐれている. 2. 採取検体は血清分離して, 2-4℃に保存すれば約1月間活性は変化しない. 室温では1-7日で低下する. 3. 血清CAP値は, 妊娠第15-35週まで測定値の対数をとるときれいな直線回帰を示す. 4. 血清CAP値の週別平均値±2σをとり, 上下限を設定すると, この範囲を逸脱する症例は妊娠経過に異常を認めた. 5. 新生児体重と妊娠経過中の妊婦血清CAP値とは, 2,500g以下の低体重児, および4,000g以上の巨大児出産例において, 30週以降のCAPが低いことを認めた.

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© 1979 順天堂医学会
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